自然風ガーデンとモダンガーデン:植栽の選び方とスタイルの違いを比較
「庭を作りたいけど、どんな雰囲気にしよう…?」そう考えたとき、選択肢としてよく挙げられるのが「自然風ガーデン」と「モダンガーデン」です。
どちらもそれぞれ魅力がありますが、まったく異なるアプローチが必要です。今回は、この二つのガーデンスタイルを**植栽(植物の選び方)**に焦点を当てて比較し、それぞれの特徴と作り方のポイントを解説します。
1. 自然風ガーデン:野性味あふれる「癒しの空間」
自然風ガーデンは、まるで森の一部を切り取ったかのような、ありのままの自然を再現するスタイルです。手入れが大変そうに見えますが、植物が持つ本来の姿を活かすことで、手間をかけずに豊かな表情を楽しめます。
植栽の特徴:
多様な植物を組み合わせる: 一種類の植物をたくさん植えるのではなく、高さや形、色、葉の質感などが異なる様々な植物を混植します。これにより、野生の生態系のような複雑な美しさを生み出します。
「放任」が基本: 規則正しく剪定するのではなく、植物の成長するままに任せます。これにより、風に揺れる草花や、枝を伸ばす樹木が、より自然な雰囲気を醸し出します。
多年草や宿根草を多用する: 一度植えれば毎年花を咲かせる植物(多年草、宿根草)を多く使います。季節ごとに異なる花が咲き、一年を通して変化を楽しめます。
自然素材を組み合わせる: レンガや石、木材など、自然の素材を植栽の間に配置することで、より自然な景観に馴染みます。
おすすめの植栽:
ハーブ類: ラベンダー、ローズマリー、ミント
宿根草: アナベル、クリスマスローズ、ホスタ
花木: アオダモ、シマトネリコ、ジューンベリー
2. モダンガーデン:洗練された「都会的な空間」
モダンガーデンは、シンプルで直線的なデザインが特徴です。人工的な素材や規則的な配置を取り入れることで、都会的で洗練された雰囲気を演出します。
植栽の特徴:
シンボルツリーを主役にする: 庭の中心に一本の木(シンボルツリー)を植え、その周りをシンプルにまとめます。これにより、庭全体に統一感と存在感が生まれます。
規則的な配置: 植栽を左右対称に配置したり、同じ種類の植物をまとめて植えたりと、規則性を重視します。
葉の色や形にこだわる: 花よりも、葉の色(シルバーリーフ、斑入りなど)や形が特徴的な植物を選びます。これにより、落ち着いたシックな印象になります。
無機質な素材を組み合わせる: コンクリートやタイル、ステンレスなど、人工的な素材を積極的に使います。植栽の緑が、これらの無機質な素材とコントラストを生み出し、洗練された空間を演出します。
おすすめの植栽:
シンボルツリー: オリーブ、ユーカリ、シマトネリコ
低木・下草: セダム、アガベ、ヒューケラ
常緑樹: プリペット、ソヨゴ、シラカシ
3. スタイルの比較:あなたの庭はどちらに?
項目 | 自然風ガーデン | モダンガーデン |
全体的な印象 | 野生的、癒し、温かみ | シンプル、都会的、洗練 |
植栽の選び方 | 多種多様な植物を混植 | 特定のシンボルツリーが主役 |
配置の仕方 | ランダム、自由 | 規則的、左右対称 |
主役となる要素 | 植物の成長、四季の変化 | 洗練されたデザイン、素材 |
向いている人 | 植物の成長を楽しむのが好きな人 | シンプルで管理しやすい庭が好きな人 |
まとめ
自然風ガーデンは、多様な植物を組み合わせ、ありのままの姿を楽しむスタイル。一方、モダンガーデンは、規則的な配置とシンプルな植物で、洗練された都会的な空間を演出します。
あなたのライフスタイルや好みに合わせて、どちらのスタイルにするか考えてみてはいかがでしょうか。植栽の選び方を工夫するだけで、あなたの庭はきっと、もっと素敵な空間になりますよ。